2017年9月2日、経営破たんした2010年から7年、新規路線開設などを制限したいわゆる「8.10ペーパー」が昨年失効して以来初となる新規就航路線「成田⇔メルボルン」線の、メルボルン発774便初便のビジネスクラスに搭乗しました。
自分が住む海外の街にJALの翼が新規就航するというタイミングはそう滅多にあるものではありません。
今年5月29日のニュースリリース直後に、この初便のビジネスクラスのチケットを購入。以来、約3か月、待ちに待った「初便搭乗」です。果たして新規開設の初便フライトは、いったいどんな雰囲気なのでしょうか。とても楽しみなフライトです。
■成田発JL773便初便到着
成田(NRT)⇔メルボルン(MEL)のフライトスケジュールは次の通りです。
JL773:NRT 10:30→MEL 21:55
JL774:MEL 0:05→NRT 9:05
(10月1日よりオーストラリア夏時間となるためダイヤが若干変わります)
成田行JL774便初便は、成田からの773便初便の折り返し。そこでまずは、搭乗ゲートにて773便の到着を出迎えます。21:30頃から20番スポット正面を陣取って待機!
フライトレーダーで21:45の着陸を確認。スポットに入る前に消防車による1回目の放水アーチでの歓迎(があったそうです)。
その後、消防車が20番スポットで2回目の放水アーチのため待機。
そして定刻の21:55、773便初便が20番スポットへ。白い機体と鶴丸が見えた時、就航記念歓迎セレモニーの準備をしていたJAL大西会長ら社員の方々が「来た来た!」と皆興奮。同時に大きな拍手。
間もなく消防車による2回目の放水アーチ。この中をくぐって初便は無事到着。機材はB787-8(JA845J)。「エンジンに水かけるなよー」の大西会長の一声に一同大爆笑!
この773便初便には、相互リンクさせていただいている「気ままな飛行機人プログ」のタヌキ猫さんが搭乗されていました。タヌキ猫さんによる「JAL メルボルン線(JL773便) 就航初便フライト編」もぜひご覧ください。成田発ならではの雰囲気、成田での放水アーチ、そしてあのバタフライアイランドなどがお楽しみいただけます。
JALの大西会長はとても気さくな方で、待機していた我々にも気軽に話しかけてくれます。何でも、メルボルン線は準備を始めて4年もの月日がかかり、ようやく実現した新規メルボルン線とのこと。そんな背景を知ってJALの方々の出迎えの歓声と拍手を聞くと、社員の方々の思いが、その場にいた人皆に移り、一体感に包まれました。
■774便初便搭乗~離陸
就航記念セレモニーの前に、一般の方の記念撮影会が舞台の前で行われていました。私と同僚も、大西会長とCAの制服を着た2名の社員の方と記念撮影させていただきました。
ステージの横にあった787の模型。これ持って写真に写ればよかった…(笑)
そして23:45、セレモニーの終了と同時に優先搭乗開始です!
20番ゲートには記者さんも詰め掛けて、初便ならではの?盛り上がった雰囲気。入口では大西会長ほか社員の方々から搭乗者全員に記念品のプレゼント。
ちなみに記念品はこちら、本革製のメモパッド。写真ではわかりにくいですが、表には「Fly Melbourne」の文字が刻まれています。この革の表装、使えば使うほど馴染むんだそうです。
中にはフランスの文具メーカー「ロデア」のメモ帳。ペンを差すホルダーもあるのですが、さすがにペンは自前で用意しなきゃだめでした。
カードは日本行きのため富士山をメインにメルボルンの街並みの写真が小さく写ったデザイン。774便の文字が印刷されているので、774便専用でしょう。773便のデザインは、きっとこの逆でメルボルンの街のシンボルが大きくデザインされているのではないでしょうか?
座席は1K。出発直前に横断幕を写真に収めることができた、とてもラッキーな席でした。
出発前におしぼりをいただきました。ちなみにウェルカムドリンクはなし…CAさんは、いつもどおり粛々と仕事をされていましたが、私なんかはちょっと興奮しつつドタバタしていて、ウェルカムドリンクは正直どうでもいい状態でした(笑)。
ドアクローズとなり出発の準備が整った頃、ふと窓の外に目をやると、関係者が横断幕を広げるところ。
横断幕には鶴丸と「Discover Melbourne」の文字、そして関係者のものと思われる寄せ書き。
そして関係者の方々が機体をバックに記念撮影。初便の仕事をしたという印象は誰しもが記念として残るのでしょう。
ドアクローズ、そしてプッシュバックの開始とともに手を振ってのお見送り。行ってきます!
■機内散策
離陸をして水平飛行に入ったら、機内が消灯になる前に機内散策。まずはビジネスクラス。最前方の2席空席があるのみ。
最後にエコノミークラス。こちらも満席でした。外国人が7割くらい。初便搭乗、というよりも片道350ドルのチケットの安さが魅力だったのかも?
ビジネスクラスのギャレーにあった、774便初便クルーのサイン入りマップ。今日のフライトは9時間半、平均時速890km/h、高度38,000feetでの飛行。
■JET STREAMとともに
席に戻ると、ビジネスクラスではメニューの配布。こちらは、お休み前の軽い食事。
ANY TIME YOU WISH、到着の約2時間前まで注文可能なアラカルト。
◇お休み前の食事
- 若布、胡瓜、蛸の酢の物
- 中華クラゲ とびこ添え
- チキンサテとビーフサテ
- ドリンク「サントリー白州」
この食事なら、日本酒、焼酎、ウイスキーがぴったり。酢の物と中華クラゲがとても美味しくて、ついついおかわりをお願いしてしまいました。サテは、後日紹介予定のシンガポール線JL36便の物よりおいしかったです。なお、このタイミングで翌朝の朝食をオーダー、食べることも可能です(その場合、翌朝の朝食はナシかと思います)。
そしてBGMに「JET STREAM」。オープニングの「ミスターロンリー」のバックに流れる城達也さんの名スピーチ「遠い地平線が消えて…」を受験勉強をしながら耳を傾けていた若かりし頃を思い出し、ぜひ夜12時のフライトで聴いてみようと。
「これからのひととき。日本航空が、あなたにお送りする音楽の定期便。「ジェットストリーム」」
夜0:05発、真っ暗な窓の外に時折目をやり、飛行機のエンジンの音がする機内で、JET STREAMに耳を傾けながらおいしいお酒をいただく…774便初便という記念すべきフライトで、自分としては小さな夢がかなった、幸せな気分でした。
そして消灯。シートを倒して休みます。
■目覚め
日本時間の朝5時過ぎ、機窓の向こうに朝日が昇ります。なんとも幻想的な雰囲気の日の出でした。
◇和朝食
- フレッシュジュース
- 牛肉のアスパラガス巻
- 里芋
- 茄子揚浸し
- カニカマと若布の玉子焼き
- 帆立と海老の芝煮
- 鶏の煮物
- 蟹と胡瓜のマヨネーズ和え
- 蛸山葵
- 海老と鶏肉の茶碗蒸し
- 鮭味噌焼き
- ご飯、味噌汁、香の物
- 果物
いやいや、朝食にしてはかなりのボリューム。でも、成田着が早朝着ではなく、9:05とちょっと遅めなので、その分朝、普通に起きて食事がとれるのはGood Pointです。お味はどれもおいしくいただきました。茶碗蒸しは固めだったのがちょっと残念…機内なので仕方ないでしょう。
食後のコーヒー。食べ終えても到着まで2時間ほどの時間があり、早朝着の便でたたき起こされるよりも時間的余裕があり、リラックスできます。人によっては映画を1本見ることも可能。
■旅の手帖
JALの国際線ボーイング787には、各機材ごとに操縦席のクルーと搭乗客のコミュニケーションツールとしての「旅の手帖」が、ビジネスクラスのギャレー横のカウンターに置かれています。
この手帳の存在を知ったのは、前週に搭乗したシドニー線JL771便にて、CAさんから声をかけられて。「メルボルン発774便初便に搭乗します」というメッセージをイニシャルとともに残しました。
そして、この日もメッセージを記入。初便の感動とジェットストリームのことなんかを書いたかな。
書き終えてCAさんに手帖を戻してしばらくして、CAさんから「〇〇様、先週シドニー線でメッセージをいただいた方ではないでしょうか?」との質問が。
「はい、そのとおりです」の私の答えに、「実は771便の機長から、初便搭乗のメッセージがあったことが、本日の機長に伝えられていて、ぜひメッセージのお礼を伝えてほしいという話を聞いておりました」
おおっ、話がきちんと横に伝わっているんですねー。素晴らしいです!771便ではイニシャルしか残さなかったので、この日の774便でなかなか誰かが分からなかったとのこと。ただ、私がCAさんに直接戻したことで、主が判明、ご挨拶となりました。
こうして搭乗記を書くのも、ひとつの記録ではあるのですが、自分が搭乗したということを機内に残していくのも、またいいかなーと。
日本人の方はこうしたメッセージを書いていただけなくて…というのが機長、クルーの悩みなんだそうですが、CAさんももっと機内で手帖の存在をアピールしてもいいのでは、とも思います。もし787に搭乗した際に手帖の存在に気づいたら、メッセージを残してみてはいかがでしょうか?
■到着
到着前に、774便初便搭乗の「搭乗証明書」が乗客全員に配られました。
そして、「本日は774便初便でクルー全員で精いっぱいのおもてなしをさせていただきました」のメッセージ。はい、確かに素晴らしいおもてなしで、思い出に残るフライトを楽しむことができました!
入国はかなりの混雑で、自動ゲートを利用。チェックインバッゲージはなかったので、すんなり税関を通過して到着ロビーへ。
この花壇を見ると、日本に戻ってきたなーといつも思います。今回は、超ショートステーなので、ただ来たー、って感じですが。
■774便初便搭乗を終えて
今回のような、初便あるいは最終便といわれる「記念フライト」に搭乗するのは初めて。今回は新規就航初便、しかも4年越しの念願かなっての新規就航の初便ということもあり、JALという会社全体がひとつになって、この記念フライトを成し遂げようとしている気持ちが、イベント・フライトを通じて伝わってきました。
JALの社員全員の成果と未来が、このメルボルン線に込められている、そんな感覚を感じざるを得ない、とても心に残ったフライトでした。
コメント
ぱぴるすさん、おはようございます♪
JL774便就航便でのフライト楽しませて頂きました。
ウォーターキャノンアーチ2回?あったんですね。
搭乗している側からですと、スポットに入る時に
くぐる感じじゃないと見えないもので(汗)
確かに、成田の方が、放水量はスゴクて、逆に
外でお見送りしてくれている皆さんが濡れちゃうんじゃないかって心配するほどでした。
横断幕の寄せ書きもステキですね♪
これは、メルボルン発の方だけですね。
大西会長も大変、親しみやすいお人柄のようですね。
一度、お姿を見たことはあるのですが、場的に遠目で見ただけでしたので、またこういう機会があったらなぁ~なんて思っています。
カードはおっしゃるとおり、日本発のものは
メルボルンの街並みに観光名所が載せてありました。
JL774便では搭乗証明書が配られたんですね。
往路のJL773便ではなかったと思います。
ちょっとこれが気にはなっていたのですが、
搭乗券ありますし、ブログをやっていることもあって
往路は植木社長と記念撮影できましたので、
初便としての思いでは十分ですね♪
今回の初便フライトは、お目にかかった時も
お話させていただきましたが、ぱぴるすさん
のブログ&アドバイスを頂きまして、
こんな機会はないなと思ってのトライとなりました。
やっぱり初便の就航フライトに乗れる機会って
そうそうあることではありませんし、タヌキ猫なんかはJALの翼で行くからこそ意味がある
ということで、大変フライトを楽しむことができました♪
改めまして、御礼申し上げたいと思います。
また、JL773就航フライトの記事内でも
ぱぴるすさんのJL774就航フライトの記事リンク
を貼らさせていただきました。
なかなか成田/メルボルンとJAL就航フライトの
模様を両方見るっていうのはチャンスがない
ですからね。
タヌキ猫でした。
タヌキ猫さん
コメント&リンクの設定ありがとうございます。
これで、どちらのブログからでも、成田=メルボルン、773, 774便それぞれの初便の様子が皆様にご覧いただけるようになりました。
今回は期せずして実現しましたが、往復の初便がリンクによって結ばれるのもめったにない機会だと思います。折り返しの国際線ゆえ、両初便に実際搭乗するのは無理なので。
カードはやっぱりメルボルンの街並みがメインだったということで…情報ありがとうございます。
搭乗証明書はとても記念になります。773便で配布されなかったのはちょっと残念ですね。
私も初便に搭乗するというのは初めてでした。更にメルボルンからという、普通とは逆のパターンであったので、日本のお祝いの雰囲気とはまた違った雰囲気を感じることができてよかったと思っています。
あの独特の雰囲気は普段のフライトでは絶対に感じることはできないですし、印象に残りますね。
次回、また何かの縁があって初便に乗れるようなことがあったら乗ってみたいと。
今回、タヌキ猫さんとメルボルンの地でお会いできたこと、そしてブログを通じて、いろいろと情報交換できたこと、大変感謝いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
ぱぴるすさん こんにちは
【初便搭乗】おめでとうございます。
羨ましいです。
>今回、タヌキ猫さんとメルボルンの地でお会いできたこと、そしてブログを通じて、いろいろと情報交換できたこと
羨ましい・・・
gingerさんともお会いするんでしょ?
あ~私も仲間入りしたかったです。
ただ語学の壁が・・・・
行きたくても行けないです。
こたつ猫さん
初便搭乗、メルボルン在住ならではということで…まずない機会なのでがんばっちゃいました。
オーストラリアでは言葉ができなくても何とかなりますよ。言葉に関してはかなり寛容です。ぜひ一度いらしてください。
ぱぴるすさん こんにちは
>ぜひ一度いらしてください。
行きたいのはやまやまなんですが
英語が苦手で
大学の授業で使われたのが
「悪魔の寓話」
アンブローズ・ビアス著
「悪魔の辞典」とは違います。
こんなの英文科の学生にやらせろって思った。
これで泣かされてトラウマになりました。
ぱぴるすさん こんにちは
オーストラリアやニュージーランドは、
まだ行ってないので機会があれば行きたいけど
何でオーストラリアは、
ツアーが少ないんでしょうね。
JALパックだと少しだけど有るけど旅費が高すぎる。
ヨーロッパ旅行ならいっぱいツアーがあるのにね?
ぱぴるすさん
こんにちは~。
リンク先のタヌキ猫さんの搭乗記ともども、
堪能させて頂きました。
「旅の手帳」の存在も初めて知りました。
機会があれば私も書き込みしてみようと思います♪
それでも、夜間飛行は寝てしまう分、体は楽ですが、
やはりもったいないですよね~(T0T)。
かういう私も、復路のビジネスでは寝てしまうのでしょうが。。。
こたつ猫さん
オーストラリア、ニュージーランドのツアーってそんなに少ないのですか?気にも留めていませんでした。
HISとかJTBの現地ツアー、結構ありますよ。
gingerさん
搭乗記、読んでいただきありがとうございます。
久々に気合の入った搭乗記でした。
夜間飛行、私は寝ることが、もったいないとは思いません。体を休めないと…
もちろん、ファーストやビジネスクラスを堪能するなら昼間便だとは思いますが。
次回メルの帰り、ぜひビジネスの朝食を堪能ください。
旅の手帖も楽しみですね。同じ機材にあたると過去ログも楽しめるのですが、早々あたるものでもないでしょうし…でもひっくり返して見ちゃうでしょうね。
JL774初便よかったですね。私もこの初便に搭乗しましたよ。貴重な体験でした。放水アーチを見て大西会長とも記念撮影できたし。2回アーチがあったのは気づきませんでした。カウンターの緊張も伝わってきました。初便らしいですね。4日前にオークランドからメルボルン入りしてこの日を待っていました。ビジネスのK席だったので、記念の横断幕もバッチリ撮りました。ちなみにブログの写真のあちこちに私が写り込んでいるようで、記念になりますね。
お名前の記載がないのですが…コメントありがとうございます。
774便初便に、しかも同じビジネスクラスK席に搭乗されていたとのこと、びっくりしております。
あの独特の雰囲気は今でも忘れることができませんね。同じように大西会長とも写真を撮らせていただきましたし、横断幕も記念品もなにもかもがいい記念です。
ウォーターキヤノンは、2回あったと、スポットに入る機体の写真を撮っているときに、大西会長より伺ったのですが、実際に搭乗されていた方のブログを拝見すると1回のような感じもして…真偽のほどは定かではありません。
パース線就航のうわさがチラホラ聞こえてきていますが、もし、就航となったら、また搭乗してみたいですね。
なお、ブログ中の写真、顔は写らないように配慮しておりますが、もし不都合な写真がありましたらコメントください。こちらで削除いたします。
このようなブログではございますが、今後ともよろしくお願いいたします。