青森・十和田の旅・6 青森県立三沢航空科学館でホンダジェットを見学(2022.5.2)

青森に来たのなら…航空ファン、飛行機好きとしては訪れておきたいのが、三沢市にある「青森県立三沢航空科学館」。

三沢空港のすぐそばの東京ドーム2個分の広さ(11ha)がある「三沢市大空ひろば」の一角に、大空と飛翔をテーマに、2003年にオープンした博物館。

青森県に関わりのある航空機、航空の歴史を紹介するとともに、科学に関する知識を普及することによって青少年が科学に対する理解と関心を深めるようにするのが、博物館が建設された目的なんだそうです。

青森県と航空機、航空機の歴史、と言われても米軍三沢基地くらいしか思い浮かばないのですが、科学館のサイトには、青森県が世界の航空氏に果たした役割として次の4つが紹介されています。

  1. ミス・ビードル号による世界初の太平洋無着陸横断飛行
  2. 青森県にゆかりの深い3名が携わり航空機航続距離世界記録を樹立
  3. 戦後初の国産輸送機YS-11設計者・木村秀政博士ゆかりの地
  4. 日本初の民間飛行士・白戸榮之助の出身地

へぇー、と言うしかないのですが、こうした予備知識を持って(?)科学館を訪れます。

科学館の場所は三沢空港の北東。土日と春・夏休みは無料シャトルバスが運行されていますが、それ以外はタクシーか自家用車でのアクセス。途中、着陸してくる飛行機をきれいに写せるスポットもありました(ファミリーマートの近く)。


朝9時過ぎ、科学館に到着。GWとはいえ、谷間の平日となると訪れる人も少ないです。入口にはミス・ビードル号のモニュメント。


とても立派な建物。コロナ感染対策に則って入場。


エントランスホール。ヒコウキを展示している都合上、建物の天井が高くて開放的。売店は最後に覗いてみることにします。


入館料は大人一人510円ですが、JAL MaaSのサイトから割引クーポンをゲットすれば10%引き。JAL Maasって、存在は知っていたのですが、使うのは初めて。飛行機とその他の移動手段を一つの移動手段としてつなげ、シームレスな移動手段を可能とする仕組みで、徳島、山形、青森三沢が対象。割引券のみの使用も可能というのは、ここで初めて知りました。JAL MaaS、よさそうだけど対象空港が少ない…。もっと増やせるかどうかが課題でしょう。


入場して最初の展示が世界初の太平洋無着陸横断に成功したミス・ビードル号。三沢でヒコウキ、といえば、これは外せないでしょう。人々が大空に馳せた思いをここで振り返ります。太平洋横断に要した時間は41時間って聞くと、こんな飛行機で41時間も良く飛び続けたねぇっていうのが素直な感想。


無料の冊子がありました。パラパラめくってみると、なかなか面白い。それぞれいただきました。日本語と英語が一冊になった本もあり、英語の勉強にもいいのでは?


そのまま進むと奈良原式2号機とともにYS-11の姿が目に飛び込んできます。


戦後の国産旅客機として、海外にも輸出されたYS-11。2006年9月30日をもって日本の国内定期路線からは引退しています。私も同月に最初で最後の搭乗をしています。


機内に入って、JL3653便のフライトを懐かしもうかと思っていたのですが、残念ながらコロナ禍、感染防止対策で入ることができず。


主翼の下に近づくことができます。JA8776。1971年5月から1993年6月まで、東亜国内航空・日本エアシステムが所有、その後、2002年11月の引退まで日本エアコミューター所有だった機体です(Fly Teamのデータ参照)。JACの塗装に懐かしさを感じます。


エンジン内部。細かく見ることができますね。


機体のいわゆる「お腹」の部分につながる通路から、普段は見ることができない飛行機のこんな姿を見ることもできます。


YS-11を楽しんだ後は、いよいよホンダジェット(技術実証機)を見に行きます。


今や小型ビジネスジェットとしては世界一のデリバリー数を誇るホンダジェット。実物を見るのは初めてです。美しい流線形は、ホンダ車とどこか共通するものを感じます。かっこいい、のひとこと。


ホンダジェットの特徴と言えば、何と言っても主翼の上にあるエンジン。さまざまなメリットを得るために多くの課題を克服したことには脱帽です。その経緯や苦労は、周囲の展示コーナーに詳しく解説されています。


機体に近づくことができないので、機内の様子をうかがい知ることはできないのですが、やはり一度は乗ってみたいですね。よほどのことがないとかなわぬ夢でしょうけど。


展示されている飛行機をひととおり見た後は、航空技術や原理を展示している「科学ゾーン」に行ってみます。まず目に入ったのはダグラスDC-9の機首部分。ここは「空に関わる仕事」を紹介するコーナーで、制服を着てパイロット体験ができます(コロナ禍、制服の貸し出しは中止となっていました)。


確かに、コックピットに座ってパイロット体験はできるのですが、いくら何でもDC-9は古すぎ。B737とかだったら、パイロットを目指す子供たちにも受け入れやすいと思います。


その傍らにあったDC-9のプチ・虎の巻。これがかなりマニアックでびっくりしました。これ読むだけで科学館に1日いることができそうです。


そのほか、パイロットに求められる特性を診断するコーナーや、フライトシュミレーターがあったり、また、飛行機が飛ぶ仕組みを体で体験するコーナーといった科学館らしい展示が充実しています。


2階は宇宙ゾーン。はやぶさ2の実物大模型が展示されています。案外小さいのにびっくり。そのほか、ロケット、人工衛星、宇宙探索など…航空機からはちょっと離れますが、いかにも科学館といった充実した展示です。


最後に入口の売店に寄りましたが、航空自衛隊グッズが中心で、民間旅客機が好きな人向けのグッズはわずかでした。何も買わずに退散…


屋外の大空ひろばには、多くの戦闘機・軍用機が屋外展示されています。実際にコックピットに座ることもできます。残念ながら戦闘機は興味がないので遠景のみということで。


地方の県立科学館というのであまり期待はしていなかったのですが、規模、内容など見応え十分で、飛行機好きなら一度は訪れてみたいところ。大空ひろばは家族連れでピクニックに来るのもいいですね。今回は、科学館でYS-11の中に入ることができなかったのが心残りなので、コロナ後に、もう1回訪れてみるつもりです。


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